Guide — 選び方

革のバッグと財布が雨に濡れたら:5ブランドの公式の案内でわかる、拭き方・乾かし方と前もっての備え

編集 Sakura MATSUI公開

In short — まずお伝えしたいこと

革が雨に濡れたら、乾いた柔らかい布で、こすらずに押さえるようにして、できるだけ早く水分を取ってください。そのあとは形を整え、直射日光やドライヤーの熱を避けて、風通しのよい日陰で自然に乾かします。濡れたままクリームや防水スプレーを使うのは控えます。乾いたあとにシミや硬さが残ったときは、ご自分で手を重ねず、お求めになったブランドにご相談ください。

雨の雫がついた窓辺の木の机に置かれた、茶色の革のブリーフケースと白い布

突然の雨に降られて、大切な鞄や財布が濡れてしまう。どなたにも起こりうることです。そのとき慌ててしまわないよう、このご案内では、国内の革製品・鞄のブランド5社が公式に公開している案内をもとに、濡れたときの対処と、前もってできる備えをまとめました。

以下は、各社が公開している案内を要約したものです(2026年10月11〜12日確認)。お手元の品については、お求めになったブランドの案内を優先なさってください。

濡れたら、まず押さえて拭く

雨粒のついた茶色の革のバッグを、白い柔らかな布で押さえるように拭いている手元

濡れたときに最初にすることは、乾いた布で、早めに水分を取ることです。3社がそろってこう案内しており、ココマイスターと吉田カバンは、押さえるように拭くとしています。

  • ココマイスターは、乾いた柔らかな布で、こすらず押さえるように水分を取るよう案内しています。
  • 吉田カバンも、柔らかな布で軽く押さえるように拭き取るとしています。
  • 土屋鞄製造所は、シミや変色、色落ち、水ぶくれ、形崩れのおそれがあるため、乾いた布で早めに拭き取るよう案内しています。

乾かすときは、熱を当てずに日陰で

風の通る明るい日陰の棚で、形を整えて乾かしている茶色の革のバッグ

水分を取ったら、形を整えて、風通しのよい日陰で自然に乾かします。早く乾かそうとして熱を当てるのは避けてください。

ブランド乾かし方避けること
ココマイスター形を整えて自然に乾かす直射日光やドライヤーの熱
吉田カバン風通しのよい場所で陰干し。型崩れしないよう形を整えるドライヤーやストーブの熱で急いで乾かすこと(縮みや硬くなる原因になる)

乾かしたあとのしまい方は「保管のご案内」に、ふだんの形の保ち方は「型崩れのご案内」にまとめております。

Guide — あわせてご覧ください革のバッグと財布の保管方法:カビや型崩れを防ぐために、3ブランドの公式の案内を比べてしばらく使わない革のバッグや財布は、どこに、どのようにしまえばよいのか。土屋鞄・吉田カバン・ココマイスターの公式の案内を比べ、置き場所、中に…

濡れたまま、クリームやスプレーは使わない

木の机の上に、使わずに置かれたクリームの缶とスプレーの瓶、そばで乾かしている革の財布

ココマイスターは、濡れたままクリームや防水スプレーを使わないよう案内しています。乾いたあとに水シミや硬さが残る場合も、ケア用品を重ねずに相談してほしいとしています。

濡れた直後は、何か手を打ちたくなるものです。けれども、まずはしっかり乾かし、状態を確かめてから考えるのが安心です。

コードバンは、とくに水に弱い革です

艶のある赤褐色のコードバンの財布と、その横に畳んで置いた傘

コードバンは、水に濡れると跡が残りやすい革です。土屋鞄製造所は、同社の水染めコードバンは非常に水が染みやすく、染みや水ぶくれ、色落ち、形崩れなどを起こすと注意しています。

  • 濡れた手で触る、雨に濡らす、飲み物をこぼすことに注意
  • 鞄に入れるときは、ペットボトルや水筒の結露に注意
  • ズボンのポケットに入れると、汗で水濡れと同じことが起こる場合がある

キプリスも、雨に濡れたり、ポケットに長く入れて汗を吸ったりすると、水ぶくれになる可能性があると案内しています。水ぶくれになった場合の手入れとして、栄養クリームを塗り、水牛の角などでやさしく擦る方法を紹介しています。こうした手入れは、まずお求めになったブランドの案内をお確かめのうえでなさってください。コードバンについては、「コードバンのご案内」もあわせてご覧くださいませ。

Guide — あわせてご覧くださいコードバンとは:「革の宝石」の成り立ちと、仕上げの違いで変わるお手入れコードバンとはどんな革なのか。米国のHorween社と姫路の新喜皮革という二つのタンナー、土屋鞄・ココマイスター・GANZO・キプリス・UN…

前もってできる、雨への備え

屋外の明るい日陰で、少し離れた位置から革のバッグに防水スプレーをかけている様子

防水スプレーを前もってかけておくと、水による傷みを軽くできます。土屋鞄製造所は、事前の防水スプレーで、シミや色落ちなどを軽減でき、水性の汚れも軽くできると案内しています。

ブランド防水スプレーのかけ方(要約)
土屋鞄製造所屋外で、30cmほど離して全体に。20〜30分かけて乾かす
PELLE MORBIDA20〜30cmほど離して全体にまんべんなく。日陰の風通しのよい場所で半日ほど乾かす
ココマイスター対応する素材かを確かめ、汚れを落とした乾いた革に、屋外で。完全防水にはならない

ただし、防水スプレーが使えない革もございます。ココマイスターは、ロウが残るブライドルレザーなどには使わないよう案内しています。初めて使うときは、目立たないところで試してからにしてください。くわしくは「お手入れの基本」と「ブライドルレザーのご案内」にまとめております。

Guide — あわせてご覧ください革のバッグと財布、お手入れの基本:5ブランドの公式の手順を比べて見えてくる共通点と違い土屋鞄・ココマイスター・TUMI・GANZO・PELLE MORBIDAが公開しているお手入れの手順を比べ、ほこりを払うところから仕上げまで… Guide — あわせてご覧くださいブライドルレザーとは:白い「ブルーム」の正体と、英国の作り手、ブランドごとのお手入れの違いブライドルレザーとはどんな革なのか。英国のSedgwick社とWhitehouse Cox、土屋鞄・ココマイスター・GANZO・キプリスの公…

雨の日の基本は「押さえて拭く、日陰で乾かす、熱は当てない、濡れたまま塗らない」。晴れた日に、防水スプレーで備えておくと安心です。

雨の日に、気をつけたいこと

淡い色のトレンチコートの横に置かれた、濃い茶色の革のショルダーバッグ

濡れた革は、色が衣服に移ることがございます。土屋鞄製造所と吉田カバンは、摩擦や水濡れによって、色落ちや色移りが起こる場合があるとしています。土屋鞄製造所は、雨の日や薄い色の服のときは、とくに注意するよう呼びかけています。

当サイトからのささやかなご提案としては、雨の予報の日は、淡い色のお召し物と濃い色の革の組み合わせを避けたり、雨に備えた素材の鞄をお選びになったりするのも一案です。

おわりに

雨上がりの柔らかな光の中、窓辺に置かれた乾いた茶色の革のブリーフケース
  • 濡れたら、乾いた柔らかい布で、こすらずに押さえて早めに拭き取ります
  • 形を整え、風通しのよい日陰で自然に乾かします。ドライヤーやストーブの熱は避けます
  • 濡れたまま、クリームや防水スプレーは使いません
  • コードバンは、とくに水に弱い革です。汗や結露にもお気をつけください
  • 晴れた日に防水スプレーで備えておくと安心です。使える革かどうかは、ブランドの案内でお確かめください
  • シミや硬さが残ったら、ご自分で手を重ねず、ブランドに相談を。修理の窓口は「修理の窓口と条件の比較」にまとめております
Guide — あわせてご覧ください革のバッグと財布、修理はどこにお願いする?7ブランドの受付・保証・料金の目安を比べて土屋鞄・ココマイスター・TUMI・吉田カバン・GANZO・キプリス・PELLE MORBIDAが公開している修理の規定を比べ、お求め先による…