Guide — 選び方
シュリンクレザーとは:縮みが生む「シボ」の表情と、傷が目立ちにくい理由、お手入れの心得
In short — まずお伝えしたいこと
シュリンクレザーは、革の表面(銀面)を縮ませて、細かなシワのような模様「シボ」を出した革です。シボのおかげで、もともと革にあった小さな傷やしわが目立ちにくく、日々の道具として気兼ねなく使えるのが魅力です。ただし、同じ「シュリンク」という名前でも、ブランドによって作り方や仕上げが異なります。お手入れは、お手元の品のブランドの案内に沿ってください。

ふっくらとした細かなシワの模様をまとい、手に柔らかくなじむシュリンクレザー。ビジネスバッグや財布で、よくお見かけになる革ではないでしょうか。このご案内では、革の業界団体である日本タンナーズ協会の解説と、国内の革製品ブランド4社が公式に公開している案内をもとに、シュリンクレザーの特徴と、選ぶとき・使うときの心得をまとめました。
以下は、各団体・各社が公開している説明を要約したものです(2026年10月12日確認)。
シュリンクレザーとは
シュリンクレザーは、革の表面を縮ませて、全体にシワのような模様を出した革です。「シュリンク」は英語で「縮む」という意味です。説明する立場によって、言い方は少し異なります。
- 日本タンナーズ協会:収れん性の強い薬品で銀面(革の表面)を縮ませ、全体に自然なシワのような模様(シボ)を出して、革らしい風合いを見せる仕上げ。主に靴やハンドバッグに使われる
- 土屋鞄製造所:特殊な薬品と熱を使って革の銀面を収縮させ、シボが寄るよう加工した革
ここで出てくる「シボ」とは、革の表面に寄った、細かく不規則なシワの模様のことです。
シボを生む方法と、型押しとの違い
革の表面に模様を出す方法は、ひとつではありません。土屋鞄製造所と日本タンナーズ協会の説明をもとに、よく似た3つの方法を並べました。
| 方法 | どのように模様を出すか | 表情の特徴 |
|---|---|---|
| シュリンク | 薬品(収縮剤)や熱で、革の表面を縮ませる | シボの目が詰まった印象になる |
| 空打ち | 回転するドラムの中で、革をかき混ぜる | 自然なシワやシボが付いた、表情豊かな革になる |
| 型押し | 加熱した金属の版型を、高い圧力で押し当てる | 図柄や模様を自在に付けられる。細かな模様は、もとの傷を隠し、新しい傷を付きにくくする効果も期待される |
シュリンクと空打ちは、土屋鞄製造所がシボを付ける2つの方法として紹介しているものです。型押しは、模様の「型」を押し当てる点が異なります。
傷やしわが目立ちにくい、という長所
シュリンクレザーは、もともと革にあった小さな傷やしわが目立ちにくい革です。土屋鞄製造所は、縮んでシボができるおかげで、元々の「バラ傷」(治った傷の痕)やシワ、血筋が目立たなくなると説明しています。
表面に加工をほとんど施さないヌメ革とは、対照的な性格といえるでしょう。ヌメ革の「自然の刻印」については、「ヌメ革のご案内」にまとめております。
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シュリンクレザーは、シボのおかげで小さな傷が目立ちにくい革です。毎日持ち歩く鞄や財布を、気兼ねなく使いたい方に向いています。
ブランドごとの、シュリンクレザーの作り方
同じ「シュリンク」という名前でも、作り方や仕上げはブランドによって異なります。公式に公開されている説明を並べました。
| ブランド・革の名前 | 革のもと・なめし | 作り方と特徴(公式の説明の要約) |
|---|---|---|
| GANZO MATTE SHRINK(マットシュリンク) | 北米産のステア(去勢した雄牛の革)を、姫路のタンナーでクロムなめし | エンボス加工でシボの柄を付けたあと、熱を当てるシュリンク加工で厚みを出す。水性の仕上げで、マットな見た目としっとりした手触り。水や汚れに強く、お手入れが楽とされる |
| PELLE MORBIDA シュリンクレザー | 皮革の産地・姫路の松原地区で開発(原皮の産地は記載なし) | 下地をなめして乾かしたあと、専用の機械でもんでシボを立たせ、軽くアイロンをかけて表面のつやを整える。柔らかな質感で、ブランドの根幹となる素材とされる |
| PELLE MORBIDA Embossed Leather(deck/9シリーズ) | イタリアのヌォーヴァ オーヴァーロード社のクロムなめしの革 | シュリンクのような風合いの型押し(同社の説明では「シュリンク風のエンボス」) |
このように、型押しと熱を組み合わせるもの、機械でもんでシボを立たせるもの、シュリンク風の型押しのものと、作り方はさまざまです。お求めの際は、商品ページの素材の説明もあわせてご覧ください。
GANZOとPELLE MORBIDAのほかのシリーズや価格帯は、「GANZOのご案内」と「PELLE MORBIDAのご案内」にまとめております。
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お手入れの心得
シボのある革は、凹凸にほこりやクリームがたまりやすいことを覚えておくと安心です。各社の案内のうち、シュリンクレザーに関わるところをまとめました。
- ブラッシング:柔らかい馬毛のブラシで、ほこりを払う(PELLE MORBIDA)
- クリームは少量で:塗りすぎると、革の凹凸にたまって固まることがある(PELLE MORBIDA)
- 仕上げに合ったケア用品を:GANZOのマットシュリンクは水性の仕上げのため、溶剤系のクリーナーやワックスは色落ちの原因になる。使わないよう案内されている
- つや出しのクリームは控える:ココマイスターは、同社のマットシュリンクの革に、つや出しのクリームは勧めないと案内している
PELLE MORBIDAの案内は、シュリンクレザーを含む革全般のお手入れの手順です。どのケア用品が合うかは、仕上げによって異なります。まずはお手元の品のブランドの案内をご確認ください。お手入れの全体の流れは、「お手入れの基本」にまとめております。
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おわりに
- シュリンクレザーは、革の表面を縮ませて、シボと呼ばれるシワの模様を出した革です
- シボのおかげで、もともとの小さな傷やしわが目立ちにくくなります
- 同じ名前でも、作り方や仕上げはブランドによって異なります。シュリンク風の型押しもあります
- お手入れは、ブラッシングを基本に、クリームは少量で。ケア用品は、仕上げに合うものをブランドの案内で確かめます
- ほかの革の特徴を知るには、「コードバンのご案内」や「ブライドルレザーのご案内」もあわせてご覧くださいませ
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