Guide — 選び方
革のバッグと財布、お手入れの基本:メーカー公式の手順を比べて見えてくる共通点と違い
In short — まずお伝えしたいこと
お手入れの流れは、メーカーが違っても「ほこりを払う、汚れを落とす、油分を補う、仕上げる」の順で共通しています。ただ、使うケア用品や頻度は革の種類によって異なり、クリームを塗るとシミになってしまう革もございます。お手元の品のメーカーが公開している方法に沿い、初めてのケア用品は目立たないところで試していただくのが安心です。

革のバッグや財布は、お手入れ次第で表情も持ちも変わると言われます。けれども、その方法はひとつではございません。お手入れでは整えきれない傷みは、修理の出番となります(修理の窓口と条件の比較もあわせてご覧くださいませ)。このご案内では、国内の革製品ブランド2社が公式に公開しているお手入れの手順を並べ、共通する基本と、気をつけたい違いをまとめました。
以下は、各メーカーが公開しているお手入れ方法を要約したものです。
2社の公式の手順を並べて
| 工程 | GANZO(コードバン・ブライドルレザーなど) | PELLE MORBIDA(バッグ・財布) |
|---|---|---|
| 1. ほこりを払う | 軽くブラッシングし、汚れなどを取り除く。シミやひどい汚れはバックスガム(消しゴム状のクリーナー)などで取り除き、下地を整える | 柔らかい馬毛のブラシで、表面のほこりや細かな汚れを落とす。ファスナー横の溝やハンドルの根元、内装も |
| 2. 汚れを落とす | (工程1に含む) | 乳化性のクリーナー(同社は、汚れや古い油分を浮かせやすく、革に負担をかけにくいタイプとして勧めている)を全体に塗り、5分ほど置いてから余分をクロスで拭き取る。皮脂や汗がつきやすいハンドルは念入りに |
| 3. 油分を補う | 革に合ったワックスを、米粒2〜3粒ほど柔らかい布にのばして塗る。厚く塗る必要はない。ベタつきが落ち着くまで置いてなじませる | デリケートクリーム(同社の説明では、革にうるおいと柔軟性を与え、べたつきにくいクリーム)を少量取り、全体にまんべんなく塗る。塗りすぎると凹凸にたまって固まることがある |
| 4. 仕上げ | もう一度ブラッシングして、ステッチに入り込んだワックスを取り除き、柔らかい布で磨く | コシのあるブラシでクリームを広げる。防水スプレーを20〜30cm離して全体に吹きかけ、日陰で半日ほど乾かす(撥水の効果はおおよそ2週間ほどとされている) |
どちらにも共通する基本
2社の手順には、次のような共通点がございます。
- はじめに、ほこりを払う。 汚れが残ったままケア用品を塗らないためです。PELLE MORBIDAは、汚れが残ると革の劣化につながると説明しています。
- 油分は少量を、薄く。 GANZOは「米粒2〜3粒程度」、PELLE MORBIDAは「少量」としており、どちらも厚塗りは勧めていません。
- 最後に、ブラシや布で整える。 余分なケア用品を残さないための、ひと手間です。
革の種類によって、気をつけたいこと
使うケア用品が異なります
GANZOは、コードバンやブライドルレザーなどについて「各レザーに適したワックス」を使うよう案内しています。一方のPELLE MORBIDAは、クリーナー、デリケートクリーム、防水スプレーを使う手順を紹介しています。同じ「革」でも、仕上げや性質が違えば、合うケア用品も変わってまいります。
クリームでシミになる革もございます
GANZOは、油分が浸透しやすい「ミネルバナチュラル」について、不用意にクリームやワックスを塗るとシミの原因になると注意を促しています。また、革の種類によってはシミや色落ちが起こることもあるため、使う前に目立たないところで試すよう呼びかけています。
心配なく始めるための、3つの手順
- お手元の品のメーカーが公開している方法を確かめる。 公式サイトに、革の種類やシリーズごとの方法が載っていることがございます。
- 初めてのケア用品は、目立たないところで試す。 色落ちやシミが出ないことを確かめてから、全体に使います。
- 迷われたら、お求めになったお店やメーカーに相談する。 直営店でメンテナンスを受け付けているブランドもございます(PELLE MORBIDAは直営店でのメンテナンスサービスを案内しています)。
おわりに
- お手入れの流れ(ほこり、汚れ、油分、仕上げ)は共通です
- 使うケア用品は、革の種類によって異なります
- クリームでシミになる革もあるため、メーカーの方法を確かめ、目立たないところで試してからお使いくださいませ

